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大学受験の国語では、一般的に配点が高いのが現代文です。ところが「現代文は何をどのように勉強していいかよくわからない」「センスがないから現代文で高得点をとるのは無理」などと考えている生徒は少なくありません。
そこで今回は、現代文の勉強について悩みを持つ人を対象に、現代文の具体的な勉強方法や高得点を得るために必要な力、解答する際のポイントなどを解説します。
現代文はどのような教科なの?勉強のポイントとは?
現代文は大きく評論と小説とに分けられます。
評論文
評論文で高得点を狙うには「筆者が伝えたい主張はどのようなものか」「それをどのような論理展開で述べているのか」「各段落の役割は何か」を理解することが大切です。
「現代文を解くにはセンスが必要」といわれることがありますが、これは正しくありません。センスがなくても、筆者の主張と論理構成を見抜き、正しい読み方・解答の仕方を押さえられれば安定して点をとれるようになります。
問題を解く際には、客観的な視点で読み、読み手の主観や感想ではなく、筆者の意見や主張を文章の中で適切に捉えることが必要です!正解のための種は全て文章の中にあります!
小説
小説は評論とは異なり、明確な書き手の主張はありません。しかし、小説を解く際は「客観的に読む」必要があります。特に、「登場人物の心境がどのように変化しているのか」を意識して読みとると良いでしょう。
現代文を解くときは、このようなポイントを押さえているかどうかで得点率が変わります。センスがある、普段から小説を読んでいるといったことは、得点率にはあまり影響しないと言えるでしょう。
現代文が苦手な生徒は、本文で出てきたものと同じ表現がある選択肢を選んでしまうことがしばしばあります。これは、筆者の主張や論理展開に対する理解があいまいなためです。
現代文では、本文を読んだうえで導き出したものに基づいて、もっとも近い内容となる選択肢を選ぶことが求められます。
現代文の得点アップに必要な力とは?
現代文で正答するためには、主に3つの力が必要です。
それは、「語彙力」、「読解力」、「解答力」です。
語彙力
1つ目は、「語彙力」があります。これは、英語学習と同じで、言葉を知らなければ書かれている内容の理解が浅くなってしまうからです。
特に評論文では、思想や経済、哲学など多彩なジャンルの文章があります。
文章が硬いかつ知らない単語があると、文章の理解に穴ができ、間違った解釈をしてしまう恐れがあります。
現代文を解くのに必要な語彙には「漢字」と「キーワード(慣用句やことわざなど)」があります。
漢字は覚えておくだけで確実に得点できるものなので、時間を割いてきちんと学習しましょう。
キーワードについては「日本語で書かれているのだから特別な勉強はしなくて良い」と考える人がいるかもしれませんが、それは正しくありません。
なぜなら、現代文では日常生活であまりなじみのない特殊なキーワードが出ることが多いからです。
例えば「演繹」「ユビキタス社会」「アウラ」などを読んですぐに理解できるでしょうか。意味するところが理解できなければ文章全体の理解度が下がってしまい、高得点を得ることはできません。現代文の頻出キーワードについては、参考書などで学んでおく必要があります。
語彙力
次に必要なのが、文章の本筋を理解して筆者の主張を構造的に把握できる「読解力」です。
本文を読んで何を訴えているのか、どのような構造なのかを第三者に説明できるレベルが求められます。読解力は、現代文の点数を上げるために欠かせない、鍵となる力です。
文章構造は主にの下の3つ「同等関係」「対比関係」「因果関係」に分けられるといわれています。
この点を抑えて問題文を読み、解くだけでも正解が導きやすくなると思います。
- 同等関係:なにかを説明するときに、さまざまなかたちで言い換えること
「つまり」「たとえば」「このように」「要するに」「いわば」「すなわち」「言い換えれば」などの接続詞 - 対比関係:主張を明確にするために、もう一例を提示して比較・検討すること
「しかし」「それに対し」「一方」「だが・が」「ところが」「けれども」「むしろ」などの接続詞 - 因果関係:原因と結果
原因→結果の因果関係
「だから」「そのため」「その結果」「それで」「したがって」「よって」などの接続詞
結果→原因の因果関係
「なぜなら」「というのも」「その理由は」「きっかけは」などの接続詞
解答力
語彙力、読解力に加え、現代文で高得点をとるためには「解答力」も欠かせません。解答力とは、正しい解答に導くためのテクニックです。出題形式によって内容が異なり、マーク式か記述式かで次のように変わります。
- マーク式:本文と選択肢を突き合わせ、正しいものを選ぶ力
- 記述式:本文の論理構造や因果関係を正しく把握し、必要な情報を取捨選択して指定の文字数で書き表す力
現代文の得点upの原則2選!
得点upの原則① 本文から解答の根拠を探すこと
現代文は「どう勉強していいかわからない」と思われがちです。
しかし、実は点をとるために必須の原則が存在します。この原則さえ押さえられれば、一見難解に思える文章でも論理的に把握でき、自信を持って解答できるようになるでしょう。
その原則の1つ目が「解答する際の根拠は必ず本文中に求めること」です。現代文において、解答が正しいかどうかは本文に沿った内容であるかどうかの1点で判断されます。自分で考えて解答したり選択肢を選んだりすべきではありません。
例えば「スマートフォンを与える適切な年齢は20歳である」が筆者の主張だとしましょう。仮に、あなたが「スマートフォンは高校生から持たせるべき」と考えていたとしても、解答の根拠とすべきなのは筆者の主張のみです。
つまり、現代文の設問を解くときは、私的な意見や感想はいったん脇に置かなければなりません。
「主観を捨て、常に客観的な姿勢で読み続けること」が重要です。これができれば、現代文の問題へのアプローチ方法がこれまでとは変わってくるでしょう。
得点upの原則② 評論では「筆者の主張」、小説では「登場人物の心情」を的確に押さえること
現代文で点を取るための原則の2つ目は「評論文では筆者の主張を、小説では登場人物の心境・心情を的確につかむこと」です。
評論文は、あるテーマに対する筆者の主張が論理的に展開されています。主題や主張が正確につかめなければ、得点することはできません。
なお、主題は「何について書かれた文章なのか」ということ、主張は「主題に対する筆者の考え、意見」を意味します。
小説では、描写されている動作やセリフ、情景描写などの事柄から「登場人物が何を考え、どのような心情でいるのかを客観的にとらえること」が重要です。
登場人物が悲しみにくれる描写が続いているのに「これは自分だったら許せない。怒る場面だ」などと考えて解答してはいけません。
評論文であっても小説であっても「何を答えるべきなのか」を考えることが重要です。先にも述べたように、「自分の主観は入れず、必ず本文から解答の根拠や要素を探す」ようにしましょう。
現代文を効率的に勉強できるおすすめの参考書
現代文を効率的に勉強するためには、適切な勉強法とその参考書選びが重要です。
参考書の種類としては、以下の2種類あります。
これらをグルグル回していくことで入試を突破する実力をつけることができます。
- インプット系:現代文を解くために必要な知識を得るための参考書
- アウトプット系:現代文の知識や解き方を確かめるための参考書
1.【インプット系】Z会『現代文キーワード読解』
「現代文キーワード読解」は、現代文で頻出の160語を精選し、科学・哲学・近代などのテーマ別に解説されており、図解やイラストで抽象的な語も視覚的に理解できます。
現代文の得点アップに必要な力で上げた『語彙力』をつけることができます!
筆者の私も受験生時代にこれを使った経験があり、こちらで用語の知識を付けた後、現代文の問題を解くと、正答率が上がった記憶があります。
難易度の高い大学は、現代文の用語を知らないと解きづらいこともあるので、しっかり語彙力をつけておきましょう!
2.【インプット&アウトプット系】現代文講義の実況中継
「現代文講義の実況中継」はインプット&アウトプット系の参考書!
『自力で別冊の問題を解き、その後じっくりと解説を読み,本書の解き方と自分の解き方のどこが同じで、どこが異なるのかを考える』そんな参考書です。
現代文の得点アップに必要な力で上げた『読解力』『回答力』をつけることができます!
現代文で得点を取るための具体的な解法パターンが学べ、論理的な思考力が身に付きます。
3.【インプット&アウトプット系】志望校の過去問
現代文は各大学によって出題の傾向や文章の特徴も違います。
記述形式が多いのか、マークのみなのか、語彙の出題が多いのかなど出題形式によって対策法が異なってきます。
やみくもに現代文の問題を解くのではなく、『志望校の問題を解けるようになる』というゴールを知り、この問題を解けるにはどうしたらよいかと逆算をすると、入試で必要な学習ができるかと思います。
NGな現代文の勉強法3選!
現代文の勉強の過程ではNGな勉強法があります。
これを長期間行うと周りの受験生と大きく差がついてしまうので、NG勉強法を行わないように気をつけましょう!
1.問題文を読まず、文章を読み始めてしまう
現代文の問題を解く際に、問題文をあらかじめ軽く読まずに、文章を読み始めてしまう方、かなりもったいないです!
事前にざっくりでいいので出題内容を把握し、文章を読むと、「ここが回答のキーになる部分かも!」と文章の中の重要なポイントに気づきやすくなるからです。
また、「気づいた部分に目印をつけておく」と時間がない中で回答の材料を見つけやすくなりますし、解き終えた後の見直しもしやすくなるのでおすすめです!
特に評論文ではこれをしておくと周りとの差が生まれやすいです!
ぜひ文章を読む際に出題の内容を軽くでいいので事前に把握しておきましょう!
2.復習をしない
現代文の勉強でよくある失敗が、解いた後に復習をしないことです。
同じ文章に出会うことはないからと言って復習をしないのはもったいないです!
「何が分かっていたら、この問題は解けたのか」を解説を見ながら適宜確認しておきましょう!
「間違った部分や何ができなかったかをメモにまとめておく」と自分の間違えるパターンなどを把握でき、今後現代文を解く際に気を付けるようになるのでおすすめです!
そのため、しっかり解説を読み、適切な解き方を身に着けていきましょう!
3.過去問を解かない
「過去問を解くのは、入試の1か月前に取っておきたい!」そう思っている学生も多いでしょう。
しかし、「過去問を入試の1か月前に解き、入試の傾向を知り対策をする」のと「過去問を入試の1か月前に解き、入試の傾向を知り対策をする」のでは後者の方が入試では有利です。
なぜなら、早めに受験する問題の傾向を掴み、1年間勉強を重ねた方が対策が十分にできるからです。
特に現代文は、大学によって問題の難易度や出題される内容(例 慣用句が出題される)など傾向や癖が大学によって違います。
そのため、もったいないと後に取っておかず、1年分でもいいので解いてみて、「こんな感じなのか!」という感覚をつかみ、それを受験時に解けるような対策をしていきましょう!
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現代文を解くために必要な力、効果的な勉強は理解できたでしょうか。
現代文に限らず、受験勉強は計画的な学習と志望校への適切な対策が必要です。入念な学習計画のもと、継続して学習を行い、志望校大学を目指しましょう。
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