大学受験をひかえた受験生のなかには、志望校がなかなか決められないという悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。
まだ高校生活をしているうちは、実際に大学生活がどのようなものか想像しにくいものです。そのため、志望校選びが難しいかもしれません。
そこで、この記事では大学を選ぶ判断基準や選定のスケジュールなどについてわかりやすく紹介します。
大学選びの理想的なスケジュールとは?
大学は、社会に出て働くために必要な専門知識を学ぶための場所です。大学で学ぶ内容は理系・文系とで異なります。
そのため、文理選択がある高校2先生までには、自分が将来どのような職業に就きたいのかを考えることが大切です。
この時期に将来の職業について考えるのは早いと感じる人もいるかもしれません。しかし、職業に応じて大学で学んでおきたいことは違ってきます。大学はその先の仕事に直結する場所ですから、早めに考えておくようにしましょう。
自分が興味を持つ職業や学びたい分野に応じて、文理選択は大きな分かれ道になります。ここは重要なポイントで、科目の得手不得手だけで簡単に決めてはいけません。
文系と理系のどちらにするかで、選ぶべき大学も違います。何より「自分が何をやりたいか」 を考えながら、将来をイメージすることが必要です。
明確な方向性が見えないなら、自分の学習状況をかんがみて決めるという方法もあります。また、気になる大学があれば、高校1年生のうちからオープンキャンパスや文化祭などに足を運ぶのもいいでしょう。
大学を見ておけば実際の雰囲気をつかむこともできますし、立地の確認にも役立ちます。現実に足を運んで、自分がイメージする大学像の視野を広げておくのです。
大学を訪問するときは、自分のランク帯などは気にする必要はありません。「自分には無理ではないか」などという線引きをしないことです。それよりも、興味があることを優先してどんどん行きましょう。そして、高校2年生の夏を目安に志望校を絞り込んでおくのが理想です。
高校2年生の2学期から3学期に入ってくると、受験勉強を意識して学習をする人が急増します。ですから、夏までには志望校を明確に決めることができれば良いスタートダッシュが切れます。仮に、この時期までに自分の進路が見えていないと、周囲の雰囲気に飲まれて焦りが出てしまうかもしれません。
高校3年生になって最初に行われる模試の目標点、偏差値や受験科目数は大学によって大きく異なります。ですから、夏までに決められない人は、秋冬までには志望校を決めておくようにしましょう。
大学選びで意識すべきこととは?
大学選びで重要なポイントとなるのは「大学に入って何をしたいのか」ということです。
自分がどんな職業に就きたいのかという将来のビジョンとともに、自分が希望する大学生活をイメージしてみましょう。「ただ何となく」という曖昧な気持ちで決めないようにしましょう。
まず、自分が興味を持つ仕事にはどのような知識や資格が必要なのかを知ることです。そのうえで、現在の自分が持つ価値観や得意分野、さらに性格などと向き合い、学問的な興味まで踏み込んだ大学選びができることが好ましいと言えます。
ほとんどの大学では、さまざまな情報を公開しています。公式サイトをチェックするのもいいですが、それだけではなく資料を請求することも必要です。
自分なりに考えた大学選びを軸に、気になるところはとにかく情報を集めるのです。そして、集めた情報を整理し、もう一度自分の軸に照らし合わせてみながら志望校を決めていきましょう。
文部科学省は、2017年から各大学に「3つのポリシー」を設定させています。
「3つのポリシー」とは、入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)、教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)、そして卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)です。
これらのポリシーを公開することにより、大学側がどのような学生を求めているか、そこで何が学べるのかといったことが理解できるようになっています。大枠ではありますが「どのような大学なのか」をあらかじめ知ることができるため、ぜひ確認してみましょう。
ただし、大学は自分だけの力で通えるものではありません。経済的な面など現実にも目を向け、早い段階で保護者と相談をすることも大切です。
判断基準①学部・専攻
大学選びをするときには、自分の状況を踏まえて考慮していかなければならない判断基準があります。
その1つ目が志望校の学部や専攻です。大学生活は楽しいものであることも大切ですが、何よりも学問を学ぶことを優先して考えなければいけません。
その大学に入ることで自分が何を学ぶのか、どのようなことを身につけていきたいかに重点を置いて選ぶようにしましょう。そのために着目したいのは、学部や専攻です。
ただし、学部の名前だけで判断すると自分がイメージしていた内容と違うということも出てきます。そういった失敗を防ぐためにも、実際にどのようなカリキュラムを組んで学んでいくのかという具体的な部分までしっかり確認しておきましょう。
判断基準②自分のキャリアプランとのつながり
判断基準の2つ目は、自分の将来像にどのようにつながっているかということです。
ここに辿り着くためには、自分が将来就きたい仕事についてあらかじめ決められているとよいですが、大学選びをする時点で具体的な仕事まで見えていない人は、何を学びたいかだけでも考えておくことが大切です。
自分が勉強したい分野を決めておき、自身の人生を先まで見据えたキャリアプランと照らし合わせながら大学選びをしましょう。
自分が進みたい分野と大学のつながりを考えることは、必要なことを学ぶためだけではありません。
どのような就職サポートを行っているのかを知ることも重要だからです。自分のキャリアプランとどのようにつながっているかを考えて判断することで、後悔のない大学選びに近づけるでしょう。
判断基準③入試形式
判断基準の3つ目は、入試形式です。大学の入試形式にはさまざまなものがあります。
たとえば、国公立大学と私立大学でも違いますし、大学入学共通テスト利用入試や総合型選抜入試といった枠組みの違いに、受験に必要な科目なども違います。
細かく見ていけば、それぞれの大学や学部、学科ごとで入試形式はまったく異なるといっていいでしょう。
入試形式は、受験勉強の方法やスケジュールにも大きく影響を与えます。
入試形式がわからなければ、合格を見据えた的確な受験勉強はできません。
ですから、入試形式についてはできる限り早い段階で調べておくことが重要になってきます。高校1、2年生のうちに志望校を決めておくことが大切なのは、早めに入試形式を知り、余裕を持って受験勉強を始められるからです。
判断基準④学費・立地
そして、4つ目としては学費や立地があげられます。
特に学費については、おおまかに分けるのではなく、さまざまな視点から見ていきましょう。
国公立と私立だけではなく、文系か理系かでも学費は違ってきます。これは、一般的な相場というより、自分の志望校の学部について具体的な情報を得ておくことが重要です。
学費については保護者の判断が必要ですが、奨学金制度を利用するという方法もあります。奨学金制度がどのようになっているかも確認しておきましょう。
ただし、奨学金は返済しなければならないものです。その点も考えて利用する必要があります。
さらに、大学の選定には立地も大きく影響します。自宅から通学できない場合はひとり暮らしになりますが、その際に考えておきたいのは生活費です。
大学がある地域の家賃相場や物価なども調べておくといいでしょう。学生向けの物件があるかどうかも判断基準になります。
大学を決める段階であらかじめ生活費についても試算できていると、後で慌てることがなくなるので、保護者としっかり話し合っておきましょう。
大学選びは自分と向き合って後悔ない大学を選ぼう!
どの大学に進学するか、大学生活をどのように歩んでいくのかによって、自分の人生や価値観は大きく変わります。大学をどのように選ぶのかということは自分なりに知っておき、自分に合った大学選びをすることが大切です。
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また、担当になるアドバイザーは河合塾マナビスの社員ですが、現役大学生のアシスタントアドバイザーも在席しています。リアルな大学生活や志望校の選び方なども直接聞くことが出来るので、受験勉強のモチベーションアップにもつながるでしょう。
志望校選びに迷っている方や志望校合格までの学習方法について知りたい方も、ぜひ一度河合塾マナビスにお問い合わせください。