大学入試に向けて勉強しなくてはいけない世界史の知識は膨大な量です。そのため、「何から手をつければよいのかわからない」「効率良く覚えるにはどうすればよいか」など悩む高校生は多いのではないでしょうか。
また、大半の高校では通史が終わるのが高校3年生の12月頃です。中には通史が終わらない高校もあり、~中世・近世までは対応できても、現代史が試験に出ると不利になってしまいます。
ここでは、勉強すべき順番やポイントなど、効果的な世界史の勉強方法を紹介します。
「世界史は暗記すればOK」ではない!
世界史で高得点をとるには丸暗記が大切と思われがちです。しかし、丸暗記だけに頼っていては高得点を狙うことはできません。もちろん知識も大切ですが、大学入試の世界史で問われるのは一問一答だけではないのです。
「時代背景」や「出来事」をしっかりと理解していれば、丸暗記していなくても物事の背景理由やつながりから類推して答えることができるものが多いのです。つまり、世界史には丸暗記よりも「流れを理解する力」が必要なのです。
また、丸暗記するために世界史ばかりに勉強時間を割いていては他の科目の勉強をする時間がなくなってしまいます。その結果、全体の点数を下げてしまうかもしれないのです。
逆にいうと、丸暗記するために時間をかけなくても済むため、効率よく勉強すれば点数につながりやすいといえます。それでは、ここからは世界史を得点源にできるような学習方法を紹介していきます。
世界史を効率よく勉強するおすすめの3ステップ
1.時代の流れを理解する
世界史では覚えるべき用語を暗記するよりも先にやるべきことがあります。それは各時代の出来事やストーリーをつかみ、時代全体の流れを頭に入れることです。あらかじめ全体の流れを把握することで、暗記するべき用語なども覚えやすくなるでしょう。
2.時代の流れを掴んでから用語や年号を暗記する
世界史で覚えるべき用語とは人名や地域名、戦いの名称などです。もちろん、これらを丸暗記するだけで高得点がとれるわけではありません。
世界史の試験では年号を正確に答える問題は少ないのですが、事件名や人物名を時系列に沿って並べる問題は頻出パターンです。そのため、世界史全体の流れをざっくりとでもいいので押さえてから、各時代の重要な用語・年号を暗記していく方が効率的な勉強方法といえるでしょう。
ポイントは「用語・年号を”点”ではなく”線”で覚えること」です。つまり、1つの出来事が起こった場合、なぜその出来事が起こったのかといった因果関係、世界史の中でどのような順番で進んでいき変化したのかといった経緯を理解しながら学ぶことが大切なのです。
3.文化史を学ぶ
これまでのセンター試験や私立大学の入試問題の場合、芸術家や芸術品、各時代の文化の特徴といった文化史が多く出題されます。そのため、早めに暗記しておきたいと考える人は多いでしょう。
しかし、まず通史をつかんでから文化史を学んだ方が時代背景と関連付けられるため暗記しやすいです。また、通史を全て学び終えてからよりも、各時代の区切りごとに並行して、資料集などで文化史を勉強する方がその時代と関連付けやすいため効率的です。
加えて、時間に余裕があれば教科書に出てくる寺院を訪れたり、美術館で実際の作品を見たりすることをおすすめします。なぜなら、実体験を伴った方が記憶に残りやすいからです。
文化史と同様に、現代史などテーマ史も同様の勉強法をおすすめします。テーマ史については自分なりにノートにまとめて整理してみるのもいいでしょう。
世界史を勉強する際のポイント2選
1.暗記だけではNG!様々な形式の問題を解くことでアウトプット力をつける
世界史の勉強は、「暗記ばかりに時間を割くのではなくさまざまな形式の問題を解くこと」がポイントになります。なぜなら、世界史の問題の多くは1つの知識に対してさまざまな角度から捉えられる「思考力」が問われるからです。
多くの問題を解くことで、覚えた用語をきちんとアウトプットできているかを確認し、理解できていない箇所があればしっかりと押さえるようにしましょう。
また、テストで正解した問題もしっかり頭に入っていない場合は時間が経てば忘れてしまいます。一度覚えた出題範囲も定期的に繰り返し勉強し、定着させることが大切です。
2.受験日から逆算して勉強の計画を立てる
世界史の暗記には際限がありません。そのため、効率よく勉強するためには「通読」「暗記」「演習」を計画的に行うことがポイントです。通読や暗記を終える時期、演習を始める時期は受験日から逆算して決めましょう。
スケジュールは受験生によって異なりますが、高校3年生の夏休みまでに暗記を終え、それ以降は志望校に合わせた演習に進んでいる状態が望ましいです。
また、大学ごとに問われる形式や知識の深さが違うため、暗記や演習にかける時間には注意しましょう。記述・論述問題がある大学の場合は用語を漢字で確実に書けるようにするなど自分の志望大学の出題形式に合わせた対策が必要です。
受験日は決まっているため、勉強する時間には限りがあります。こうしたことを踏まえてスケジューリングをするようにしましょう。
世界史の共通テスト対策はどうする?
センター試験に比べて、大学入学共通テストの世界史では、従来のセンター試験でよく出題された知識を問う単純な形式の出題は大幅に減少し、歴史事項の背景や影響といった因果関係のほか、事項の推移を考えさせる問題が多く出題されています。
用語のみの暗記だけでなく、教科書の文章を隅々までしっかりと読み込み、用語同士のつながりや因果関係も確実に理解しておくことが重要です。
小間での難易差はあるものの、全体の難易度としては標準レベルでしたが、従来のセンター試験に比べて多様な資料を用いた出題が増加し、受験生に「思考力・判断力」を求める姿勢がより一層鮮明になりました。 資料問題が増加し、初見の資料もあったことから、当日に面食らった受験生も多くいらっしゃったと考えています。
ただ学力レベルとしては、センター試験と大きな差はなく、出来事の因果関係を正しく理解できているか、歴史用語の意味を正確に理解しているか、といったことが重要です。
従来の学習方法と大きくは異なりませんが、資料問題や、時代の判別問題、並べ替え問題などの演習の確保の重要性が増しているので、まずは演習のための時間を確保できるように、余裕をもって全範囲を終了させるとよいでしょう。
国公立大学の二次試験・私立大学入試の世界史の対策は?
国公立大学の二次試験・私立大学入試の出題傾向は大学によって異なります。高校3年生の夏休み期間に志望校の過去問を解くことで出題傾向をつかむようにしましょう。
また、記述・論述問題が多く出ることが予想されます。そのため、的確で簡潔な文章で答えをまとめる力が求められます。こうした力を身につけるには教科書での勉強が最適です。なぜなら教科書の文章は世界史のストーリーなどを的確に、そして簡潔に表現しているからです。
また、解くのが難しいと思われる問題でも、実は問題文や資料のなかにヒントが隠れていることがあります。過去問を解くことで出題文からどのように読み解くかを把握して、本番では落ち着いて問題と向き合えるようにしましょう。
効率の良い勉強法を実行して世界史で差をつけよう!
世界史は根気が必要ですが、努力が実りやすい科目でもあります。ただ、一問一答の暗記は自分でできても、時代の全体像をつかめない、物事のストーリーや因果関係が理解できない、問題演習になると点数が上がらない…といった状態に陥りがちです。
河合塾マナビスの講座は世界史に必要な時代の全体像をつかみ、物事のストーリーや因果関係が理解しやすい構成になっています。マーク・記述・論述に対する対策講座も充実。特に記述・論述問題は、自分の主観ではなく、”評価者”の視点で採点をしてくれるプロの添削があります。
「学校の授業のペースでは、世界史を勉強し終わることができない…」と遅れが心配な方も大丈夫。
河合塾マナビスの世界史講座は、自分のペースで進められ、高校3年生の夏までに通史を終えることもでき、各模試の出題範囲の対策も十分可能です。
短期間で受講したい場合は、最短1日1コマ(90分)×30日で通史を終えることも可能。「受けっぱなし」にならないように、受講後にはチェックテストがあり、授業で学んだ内容をアドバイザーに向けてアウトプットすることで理解の定着を高めることもできます。
自分のペースで世界史の学習を進めたい方、大学受験に不安を抱えている方はもちろん、まずは世界史の定期テスト対策をしっかり行いたい方も、ぜひ一度河合塾マナビスにお問い合わせください。